今からできる花粉症対策5選【これ以上悪化する前に】

暖かい春がやってくるのは嬉しいですが、毎年花粉症に悩まされている人にとっては少し憂鬱な季節でもありますね。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水など…日常生活に支障がある症状が多いので厄介な花粉症。

もし今花粉症の症状が出ていなくても、ホルモンバランスの変化などにより急に発症するというケースも非常に多いです。しかし、早いうちから予防をしっかりと行うことで発症を防げたり、辛い症状を緩和させることが可能です。

こちらの記事では少しでも花粉症の症状を和らげるために覚えておきたい対策をご紹介します。どれも手軽にできることばかりですので、ぜひ試してみてください。

花粉症とは？主な症状と原因

花粉症と聞いてイメージするのはくしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状ですね。しかし、実はそれ以外にもさまざまな症状があります。

花粉症がなぜ起こるのか、どんな症状があるのかなどを知ることで、より効果的な対処法を見つけることができます。花粉症で起こりやすい症状やその原因、花粉の種類、そして花粉症になりやすい人の特徴について、詳しく解説していきます。

花粉症の症状

花粉症の主な症状はくしゃみが止まらない、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみです。風邪をひいた時の鼻水とは違って水のようにサラサラした鼻水が止まらなくなるのも花粉症の特徴です。しかし、それだけではありません。

花粉の種類によっては喉・皮膚のかゆみ、食欲減退や下痢、咳やたん、微熱などの症状が出ることも。これらの症状が重くなると頭痛、倦怠感なども引き起こしてしまい、中には日常生活に支障をきたすほど苦しむ人もいます。以下に花粉症の症状として出てくるものを挙げました。

上記の症状で、当てはまるものはありましたか？かぜと似た症状が多いですが、なにか違うと感じたり、長引くようでしたら花粉症を疑ってみても良いかもしれません。

花粉症はなぜ起こる？主な原因

では、なぜ花粉症は起こるのでしょうか？その主な原因は、身体の免疫が花粉を異物と認識して過剰に働くことにあります。花粉が体内に入った際、免疫が花粉を異物と判断して「花粉を体外へ出そうとする働き」がくしゃみや鼻水の症状として現れます。花粉が体内に残っている限り免疫の働きは止まらず、症状が収まりません。花粉症は一種のアレルギー反応と言えます。

アレルギー症状の起こしやすさは、遺伝的な要素や、身体の免疫状態、さらには生活環境によっても左右されると考えられています。例えば、都市部に住む人々が花粉症になりやすいという報告もあります。これは排気ガスなどで汚れた空気がアレルギー反応を促進する可能性があるためです。

花粉の種類と飛びやすい時

花粉症を引き起こす花粉には、さまざまな種類があります。日本では、スギやヒノキの花粉が特に有名ですね。これらの花粉は、春先に大量に空中に放出され、多くの方が花粉症に悩まされます。
中でも、最も多くの人が悩まされているのはスギ花粉です。日本中の広い範囲に存在し2月から4月あたりが飛散のピークになります。

花粉が飛ぶのは、冬の終わりから春にかけての時季だけではありません。ブタクサやヨモギなどの草花の花粉は秋ごろに飛びますし、イネ科の植物からの花粉は夏の終わり頃に飛び、花粉症の症状を引き起こすことがあります。

また、花粉は毎日一定量飛んでいるわけではありません。日によって花粉の飛散量が多い日・少ない日とあります。花粉が飛びやすいとされている条件は以下の通りです。

• 風の強い日
• 雨が降った翌日
• 湿度の低い乾燥した日
• 最高気温が高めの日

雨の降った翌日に風が強いなど条件が重なるとさらに飛散量が増えるとされています。花粉の時期には天気予報などでも花粉の飛散量予報が発表されますが、花粉の飛びやすい条件を自分でも知っておくことで対策が取りやすくなりますね。

花粉症になりやすい人

花粉症はアレルギーの症状なので、体質が大きな要因になります。アレルギー体質の人、すなわちほかのアレルギー症状を持つ人は、花粉症にもかかりやすい傾向にあります。
また、親が花粉症である場合、その子どもに花粉症は遺伝するの？という疑問がよく出てきます。その答えはNOです。アレルギー体質は遺伝する可能性がありますが、花粉症そのものが遺伝するわけではありません。

それ以外にも花粉症になりやすくなる要因はあります。主に次のような人は花粉症になりやすいとされています。

• 喫煙・飲酒をよくする
• ストレスの多い生活
• 睡眠不足
• 空気の汚れた環境で暮らす人
• 食事のバランスが偏っている

生活習慣が乱れていると花粉症にもなりやすいです。裏を返せば、規則正しい生活をするだけでも花粉症を発症するリスクが抑えられたり、症状を軽くできるということですね。

なぜ？花粉症対策を今から始める理由

花粉症はある日突然なるのではなく、少しずつ体内でアレルギー反応が積み重なることで悪化します。「昨年まで症状が出なかったから今年も大丈夫」と考えている人も多いかと思いますが、花粉症の怖いところは誰でも発症する可能性があるということ。

加齢に伴うホルモンバランスの変化、閾値を超えた量の花粉が体内に入ることでアレルギー体質になってしまうなどきっかけは様々。誰でも予防するに越したことはありません。

花粉症が悪化する前の対策が大事

花粉症対策を早めに始める理由は、症状の悪化を防ぐためです。花粉症は、花粉が目や鼻、のどの粘膜に花粉が着くことで引き起こされるアレルギー反応です。花粉症の症状が一度出てしまうと、鼻の粘膜が敏感になります。症状がひどくなってから対策をしようと思っていると、その間にどんどん症状が重篤化してしまう可能性があります。
症状が軽いうちからしっかり対策を行うことで効果をより強く実感できるかと思いますので、早めの対策を行いましょう。ここからは、花粉症が悪化する前にやっておきたい対策について詳しく解説していきます。

対策①花粉を体内に入れない

花粉症の季節が近づくと、屋外には無数の花粉が舞います。これらの花粉が体内に侵入することで、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどのアレルギー反応を引き起こします。

ここで大事になってくるのは花粉を体内に侵入させないことです。花粉を体内に入れないための対策をご紹介します。

マスクやメガネで防ぐ

花粉症対策において、マスクや花粉用メガネは非常に効果的な手段の一つです。
マスクは鼻や口を通じて花粉が体内に入るのを防ぎます。特に、花粉をブロックするために設計された専用のマスクを使用すると効果が実感できるかもしれません。これらのマスクは、通常のマスクよりも密閉性が高く、花粉を効率的に遮断できるように作られています。

また、メガネやゴーグルは、目から花粉が侵入するのを防ぐのに役立ちます。特に、花粉が多く飛散する日には、目の周りをしっかりと覆うタイプのメガネを選ぶことで、目のかゆみや赤みを軽減できます。

花粉症の症状がひどい方は外出時だけでなく、自宅の窓を開けるなどちょっとしたタイミングにもマスクやメガネを使用することをおすすめします。

手洗いうがいをマメに

新型コロナウイルスの流行により、外出から戻った後に手洗いとうがいを行うことはすっかり当たり前になりました。この習慣は花粉症の対策にも役立ちます。

手洗いは、石鹸を使用して、少なくとも20秒間は念入りに行うことが推奨されています。手についた花粉や細菌をしっかりと洗い流すのに必要な時間です。
手洗いだけでなくうがいもまた、のどに付着した花粉を洗い流し、のどのかゆみや痛みを軽減するのに役立ちます。うがいにはうがい薬を使うことで、さらに効果を高めることができます。

対策②花粉のつきにくい服装をする

花粉の季節が始まると、毎日の服装選びも花粉症対策の一環となります。
衣服に花粉が付着すると、家の中まで花粉を運び込んでしまいます。しかし、衣服の素材や着こなし方に少し注意を払うだけで、外出時に花粉を身体につける量を大幅に減らすことが可能です。

具体的に花粉がつきやすい・つきにくいのはどのような素材なのかをご紹介します。毎日の服選びのためにもぜひ知っておいてください。

花粉のつきやすい素材

毛足の長いウールなどの衣類やフリースなどの起毛素材は、表面積が広くなるため花粉を捕らえやすい特性があります。また、一般的に静電気を帯びやすい合成繊維製の衣類も、花粉を付着しやすいと言われています。具体的にはポリエステルやナイロンなどが含まれます。

ウール素材のニットとポリエステルのコートなど素材の組み合わせによっては特に静電気が発生しやすくなるので、花粉症の症状がある方はご注意ください。衣服に付着してしまった花粉は家に入る前にブラシングして落とすことで室内に持ち込まないようにすることが大切です。

花粉のつきにくい素材

対照的に、花粉のつきにくい衣類の素材もあります。天然繊維である綿や麻は、合成繊維に比べて静電気が発生しにくく、花粉が衣類に付着するのを防ぎやすいとされています。これらの素材は、肌にも優しく通気性が良いため、春の暖かい季節に適しています。

さらに、滑らかな表面の素材や、撥水加工が施された衣類も花粉が付きにくいためおすすめです。例えば、撥水性のあるコートやジャケットは、花粉が衣類の表面に付着するのを防ぎ、簡単に払い落とすことができます。これらの素材や加工を選ぶことで、外出時に花粉を防ぎ、家に持ち帰る花粉の量を減らすことが可能になります。

髪をまとめる・帽子をかぶる

花粉症対策として、服装だけでなく、髪の毛の扱い方にも注意を払うことが重要です。長い髪の毛は、外出時に空中の花粉を捕らえやすく、無意識のうちに大量の花粉を室内に持ち込んでしまうことも。そのため、特に花粉の多い季節には、髪の毛をまとめることがおすすめです。ポニーテールやお団子ヘアなど、髪の毛が顔周りに触れにくいスタイルを選ぶと、花粉が顔や目に直接触れるのを防ぎ、症状の発生を抑えることができますよ。

また、帽子をかぶることも効果的な対策の一つです。特に、つばが広い帽子は、顔や目を花粉から守るバリアの役割を果たします。さらに、帽子は髪の毛に付着した花粉を室内に持ち込むのを防ぐ効果もあります。外出から帰宅した際には、帽子を玄関で脱ぐことで、花粉を室内に広げるリスクを減らせます。

花粉症の症状を軽減させるため、春の服装や髪型にも気を配ってみてください。

対策③花粉を家に持ち込まない

花粉の季節には、外出から帰宅する際に無意識のうちに花粉を家の中に持ち込んでしまうことがあります。自宅を花粉の侵入から守るためには、日々のちょっとした心掛けが非常に重要です。

家の中を快適な空間に保つためにも、花粉を家へ持ち込まない意識を持ちましょう。

服や髪をよく払ってから入る

外出から家に戻る際、私たちの服や髪には見えない花粉がたくさん付着しています。これらを効果的に取り除くためには、室外で衣服や髪をしっかりと払うことが大切です。特に、毛足が長いコートやセーター、静電気の起きやすい素材は花粉が付きやすいため、家に入る前にブラシやローラーで丁寧に払い落としましょう。

また、花粉は服だけでなく髪の毛にも付着しています。帽子をかぶって髪に花粉が着かないようにする、もしくは帰宅後すぐにシャワーを浴びることができれば理想です。

空気清浄機を活用する

空気を綺麗に保つと言って思い浮かぶのは空気清浄機ですね。リビングや寝室など、長時間過ごす部屋に一台設置するだけで、室内の花粉の量大幅に下げることができます。空気清浄機を使用する際には、定期的にフィルターの掃除や交換を行い、パワーが落ちてしまわないよう保つことが大切です。

最近では花粉症対策製品として認定された商品も出ていますので確認してみてくださいね。また、空気清浄機は部屋の広さに合ったものを選びましょう。

洗濯物や布団は室内に干す

花粉の季節に外で洗濯物や布団を干すと、大量に花粉を付けてしまう可能性があります。知らず知らずのうちに花粉を室内に持ち込み、アレルギー反応を引き起こす原因となることも。そのため、花粉が多く飛ぶ時期には、洗濯物や布団を室内で乾かすことが推奨されます。

洗濯ものを外へ干さないためには乾燥機を使用したり、室内の通風を良くして自然乾燥させたりする方法が有効です。また、空気清浄機を併用することで、乾燥中の空気をきれいに保つことができます。

こまめに掃除をする

花粉を家の中に持ち込まないためには、こまめに掃除をすることも重要です。特に、床やカーペット、ソファなど、花粉が付着しやすく溜まりやすい場所は、定期的に掃除機をかけて花粉を取り除きましょう。さらに水拭き掃除も行うと、掃除機が吸い取りきれなかった花粉も拭き取ることが可能です。

窓のサッシや網戸も、花粉の侵入口となります。こちらも定期的に掃除できるのが理想です。

対策④生活習慣を見直す

花粉症を予防するには日々の生活習慣を見直すことも大切です。特に、免疫力を高めることは、花粉によるアレルギー反応を和らげる上で非常に重要です。健康的な生活習慣は、体の抵抗力を強化し、外部からの刺激に対して強くなります。

具体的には充分な睡眠を取ること、適度な運動を継続することなどが該当します。生活習慣の見直しすことで、春の季節を快適に過ごすための準備を整えましょう。

睡眠をしっかり取る

質の良い睡眠は、体の免疫機能を高めるうえで非常に重要な役割を果たします。特に、花粉症のようなアレルギー症状を抱えている場合、十分な睡眠は症状の軽減に役立つと言われています。

充分な睡眠をとる事は体がリラックスし、ストレスが軽減されるだけでなく、免疫機能を高めることができます。理想的には、成人は毎晩7〜8時間の睡眠が推奨されます。良質な睡眠を確保するためには、カフェイン摂取を避ける、寝室を快適で静かな空間に保つ、就寝前にスマホやテレビを見ないなど、睡眠環境を整えることが重要です。

適度な運動をする

適度な運動は、身体の免疫力を高め、ストレスを軽減し、全体的な健康を向上させる効果があります。運動によって血流が促進されることで、免疫系の機能が活性化し、花粉症を含む様々なアレルギー症状の対策に役立つと考えられています。

運動といっても、毎日ハードなトレーニングをする必要はありません。例えば、ウォーキング、ジョギング、ヨガ、ストレッチングなど、自分の体調や好みに合わせた活動で大丈夫です。一日に最低20〜30分の適度な運動を心がけることで、体の抵抗力を自然と高めることができ、花粉症の季節も健やかに過ごすことが可能になります。運動する時間帯は、花粉の飛散が少ない朝の時間帯がおすすめです。

対策⑤バランスの良い食事を摂る

バランスの良い食事は、体全体の健康を維持し、免疫力を高めるために欠かせない要素です。特に花粉症などのアレルギー症状に悩む場合、食事が持つ役割はさらに重要になります。

バランスの良い食事とは、様々な食品から適切な栄養を摂取すること。ここからは、花粉症の改善や予防に効果が期待できる具体的な食べ物についてご紹介します。

改善・予防に効果が期待できる食べ物

花粉症の症状改善や予防には、特定の栄養素を豊富に含む食べ物が効果的です。ビタミンCはアレルギー反応による体内の炎症を軽減する助けになります。柑橘類やイチゴ、キウイなどの果物、さらにブロッコリーやパプリカなどの野菜はビタミンCが豊富です。この他にもおすすめの食材についてご紹介します。

ヨーグルト

ヨーグルトには乳酸菌が豊富に含まれており、腸内環境を良くするイメージがある食材かと思います。実は、腸内環境を良くすることで過剰に反応してしまう免疫機能を正常に保つことが期待できるとされています。

花粉症の症状が出始める少し前から、少量でも良いので毎日継続して食べ続けることで効果的に。毎日の朝食にヨーグルトを追加してみる、ぜひ習慣的に食べられるようにしてみてくださいね。きな粉や干しぶどうと一緒に食べると乳酸菌がより活発になります。

鮭やカツオなどの魚

魚にはビタミンDが含まれています。ビタミンDは免疫を調整する役割があり、花粉症の予防にも繋がります。また、ビタミンDは食事で摂取するだけでなく体内で作ることもできる栄養素です。体内でビタミンDを生成するには太陽光(紫外線)を浴びる必要があるので、日中あまり外出しない人や過度の紫外線対策を行っている人は体内での生成量が少なくなっている可能性があります。

海藻類

海藻類には水溶性食物繊維が豊富に含まれ、乳酸菌と同様に腸内環境を整える働きがあります。わかめ、ひじき、昆布といった海藻類は普段から口にする機会の多い食材かと思いますので、より意識して取り入れるようにしましょう。

れんこん

れんこんにはポリフェノールやタンニンが含まれています。ポリフェノールにはアレルギー疾患への効果、タンニンにはのどの痛みや鼻の炎症を抑える効果があり、花粉症に悩まされている方にはぴったりの食材とも言えます。

また、食物繊維も豊富なので腸内環境を整える効果も期待できます。

ひどい時には早めに受診を

花粉症の症状は、人によって重さが異なります。多くの人は日常的な対策で症状を抑えることができますが、中には症状が非常に重く、日常生活に大きな影響を及ぼす人もいます。

そういった場合は自己判断で対処を続けるのではなく、専門の医師に相談することが大切です。特に、症状がひどくなる前に早めに受診することで、適切な治療を受けることが可能になり、症状の悪化を防ぐことができます。花粉症の症状に悩まされている場合は、受診も検討しましょう。

軽いうちなら治療もしやすい

花粉症の症状がまだ軽いうちに受診することは、効果的な治療を受ける上で非常に重要です。
症状が軽いうちに治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、より早く快適な状態に戻ることが可能になります。初期段階であれば、比較的簡単な治療で症状を軽減できる場合が多いです。また、予防的な観点から治療を行うことも可能で、将来的に症状が重くなるのを防ぐことにも繋がります。

また、早期に受診して、原因となる花粉の種類を特定することも重要です。原因の花粉が特定できると、その花粉に特化した治療を行うことができます。例えば、スギ花粉が原因である場合、スギ花粉に対する特定の薬を処方することが可能になります。

症状が軽いうちに適切な措置を講じることは、花粉症と上手に付き合っていくためには欠かせません。花粉症の症状に心当たりがある場合は、早めに受診を検討しましょう。

花粉症は早めの対策がおすすめ

花粉症の季節に向けて、早めの対策を講じることが、症状軽減のカギとなります。
花粉の体内への侵入を防ぐために、マスクやメガネの着用、手洗いやうがいを徹底することなど今日からできることがたくさんありましたね。

しっかり花粉症対策を行い、症状が重くなってしまうことを防ぎましょう！