健康や美容に効果がある。ダイエットにも良いなど何かと話題になる麹ですが、「実際にはどのような効果があるのか」「どのように摂取するのか」など分からないことが数多くあるのではないでしょうか?
こちらの記事では麹についてのさまざまな知識をご紹介します。あなたの暮らしにも麹をぜひ取り入れてみてくださいね。
麹は日本の調味料、味噌や醤油・みりんや酢などの原料になります。このような発酵調味料には麹の存在は欠かせません。
日本人の食生活を支える麹は「日本人が古来から大切に育み、使用してきた貴重な財産」であるとし、国菌に認定しました。古くから使われている麹を私達も上手に利用していきたいものですね。
麹と糀
「こうじ」と読む漢字には実は2種類あることにお気づきですか?こうじは「麹」と「糀」のどちらかで表記されます。
麹の方は中国から伝わった漢字であり、穀物を蒸して麹菌を繁殖させたものという意味があります。米・麦・豆などの原料から作られる麹全般のことを指す場合が多いです。
一方で糀の方は日本で作られた国字であり、米にこうじカビが「花が咲くように生える」様子を表しているとされています。こちらは米麹のことを指しています。
麹の種類
麹には主に3種類あり、麹の種類によって作られる発酵食品・調味料が変わっていきます。この分類は麹菌を繁殖させる穀物によって分けられています。
米麹
日本人の食卓と切っても切れない関係にあるのが米麹です。糀の字が当てられるのも米麹です。蒸した米に麹菌を付着させ、繁殖・発酵されたもののことを言います。
甘酒や日本酒、味噌や醤油といった調味料まで様々なところで使われています。
米麹に塩と水を混ぜ合わせて発酵させると塩麹、醤油に米麹を加えて発酵させると醤油麹ができます。調味料として使い勝手が良いのでご家庭にある方も多いかもしれませんね。
豆麹
豆味噌に使われることが多い豆麹。大豆の旨味や香りがぎゅっと詰まった味噌になります。豆麹を使った味噌は濃厚でコクがあり、料理の味を引き立ててくれます。
麦麹
麦味噌や醤油作りで利用される麦麹。麦を原料に作っているので、味噌にした時に麦の香りがする美味しいお味噌が出来ます。麦独特の風味と甘みが特徴的で、味噌や醤油に深みを与えてくれます。
麹の健康効果
では、麹の栄養素や健康効果についてはどうなのでしょうか。1つ1つ確認していきましょう。
※ここでご紹介している効果については主に米麹についてのものです。
酵素が消化吸収を助ける
麹には約30種類もの酵素が含まれています。酵素は栄養素の消化吸収を手助けしてくれる役割があり、食べた食材の持っている栄養素を効率よく摂取することが出来ます。
消化・吸収がスムーズになることで胃腸の働きを助けるメリットもあります。麹を摂取することで、胃もたれや消化不良の改善が期待できるでしょう。
ビタミンを生成する
麹はビタミンB1やB2、B6、ナイアシン、パントテン酸といったビタミン類を代謝される際に生成します。これらは肌の代謝を促進させる効果があるので、最近は麹を利用した化粧品が開発されているほどです。
麹を食べることで、内側から美肌を目指すことができるかもしれません。
疲労回復にも
ビタミンB群が豊富に含まれていることと、米麹に含まれているぶどう糖により疲労回復効果も期待できます。
よく甘酒を「飲む点滴」と言いますが、これは麹に含まれる栄養のおかげ。酵素がお米を分解して出来る成分は点滴と似ているためです。疲れているときや体調が優れないときに、甘酒を飲むのもおすすめです。
腸内環境・便秘の改善
麹にはオリゴ糖が含まれており、このオリゴ糖が腸内に届くと腸内の悪玉菌を減少させ、善玉菌を増やし、腸内環境を改善させます。腸内環境が改善されると便秘の解消だけでなく免疫機能の上昇も期待が出来ます。
毎日の食事に麹を取り入れることで、腸内環境を整えることができるでしょう。
美肌効果
麹菌の酵素には抗酸化作用があり、老化予防の効果も期待できます。繰り返しになりますが麹菌に含まれるビタミンB軍は肌の代謝を促進させて老廃物を排出させます。代謝が悪いと肌のくすみなどの原因になりますので、ぜひ摂りたい栄養素です。
ダイエット効果
麹に含まれる酵素は、脂質や糖質の分解を助けてくれます。そのため、麹を摂取することでダイエット効果も期待できるのです。また、麹は低カロリーでありながら、満腹感を得られるのも嬉しいポイント。
ダイエット中の方にもおすすめの食材です。
血糖値の上昇を抑制
麹に含まれるオリゴ糖は、食後の急激な血糖値の上昇を抑制する働きがあります。また、麹に含まれるビタミンB群は、糖質の代謝を助けてくれます。
そのため、麹を摂取することで、血糖値の安定化が期待できるのです。糖尿病が気になる方は、麹を取り入れてみるのも良いかもしれません。
麹の調味料
メリットの多い麹ですが、ご家庭でも気軽に摂るには塩麹と醤油麹がおすすめです。自分で簡単に作ることもできますが、スーパーなどでも手に入りますのでぜひ探してみてください。
塩麹
数年前から耳にすることが多くなった塩麹。お肉料理に使うと柔らかく仕上がるなどメリットがたくさんあり、大人気の調味料です。
塩麹の作り方
塩麹はボウルに米麹と食塩を入れ、手でもみこむようにして3分以上混ぜます。そこに水を入れて清潔な蓋付き容器で保存します。
直射日光の当たらない常温で保管し、1日1回スプーンでかき混ぜるのを1~2週間程度繰り返します。
米麹の粒が指で潰せるくらいになったら完成です。
塩麹の活用法
塩麹の活用と言うと主に「漬ける」が浮かびますが、そのほかにも活用法があります。
- 漬ける:肉や魚を塩麹に漬けてから調理すると柔らかくふっくらとした仕上がりになります。 また、生野菜と漬けて食べてもうまみと甘みが引き出されるのでおすすめです。
- 加える:調味料として塩の代わりに使うとまろやかでコクと旨味のある仕上がりになります。ドレッシングの隠し味としても。
- 練りこむ:餃子の具や肉団子に塩麹を練りこむと、より柔らかでジューシーな仕上がりに。
- 炒める:野菜炒めに塩麹を加えると、野菜の甘みが引き立ち、味に深みが出ます。
醤油麹
塩麹と比べると知名度の低い醤油麹ですが、こちらもコクと旨味の強い調味料として使い勝手が良いです。
醤油麹の作り方
醤油麹はボウルに米麹と食塩を入れ、醤油を入れてとろみが出るまでスプーンで混ぜます。清潔な蓋付き容器へ移して直射日光の当たらない常温で保管、1日1回スプーンでかき混ぜるのを1~3週間程度繰り返します。
米麹の粒が指で潰せるくらいになり、とろみがついたら完成です。
醤油麹の活用法
とろみがついているので、普通の醤油とは違った感覚で使うことができます。
- 漬ける:お刺身を漬けると普通の醤油に漬けた時とは違った味わいになります。
- 加える:ドレッシングや炒飯の味付けとして使うとコクと風味が増します。
- 和える:豆腐や温野菜に和えるとまろやかな味わいに。
- かける:焼き魚や冷奴にかけると、いつもと違った美味しさが楽しめます。
甘酒で手軽に麹を摂る
麹を継続的に摂るために、最も手軽な方法は「甘酒を飲む」ことではないでしょうか。栄養満点で昔から親しまれてきた甘酒は麹を美味しく効率よく摂取することができます。
ただし、糖分が高いので摂りすぎには注意が必要です。
酒粕甘酒と麹甘酒
甘酒には酒粕甘酒と麹甘酒があります。酒粕甘酒には原料の酒粕にアルコールが含まれているのでお子さんや運転手の方は避けた方が良いかと思います。
一方で糀甘酒の方は米麹から作られていますのでアルコール分は含まれていません。甘酒を購入する際はどちらの甘酒かを確認してみてください。
甘酒の飲み方
- そのまま:冷やしても温めても美味しく飲めます。
- 割る:牛乳や豆乳、炭酸水で割るとまた違った味わいが楽しめます。
- 料理に:甘酒を使ってデザートを作ったり、味噌汁に加えたりするのもおすすめ。
まとめ
麹は日本の伝統的な発酵食品であり、私たちの健康を支えてくれる頼もしい存在です。酵素やビタミン、オリゴ糖などの栄養素が豊富に含まれており、消化吸収の促進、疲労回復、美肌効果、ダイエット効果など、様々な健康効果が期待できます。
塩麹や醤油麹といった麹の調味料を使えば、料理の味に深みとコクを加えることができます。また、甘酒を飲むことで手軽に麹を摂取することもできるでしょう。
麹を取り入れるコツは、無理なく継続することです。毎日の食事に少しずつ麹を加えたり、甘酒を日常的に飲み始めたりするのが良いでしょう。そして、自分の体の変化を感じてみてください。きっと、麹のパワーを実感できるはずです。
また、麹を使った料理にチャレンジするのも楽しいですよ。塩麹や醤油麹を使えば、いつもの料理がグレードアップします。麹の甘みと旨味を活かして、オリジナルの料理を作ってみるのも面白いかもしれません。
日本の伝統食品である麹は、私たちの健康を支える強い味方です。まずは身近なところから麹を取り入れて、その効果を体感してみましょう。そして、麹のある生活を楽しんでいきましょう。
麹について知ることで、日本の食文化の奥深さを感じることもできるでしょう。麹は、日本人の知恵と経験が詰まった宝物なのです。この宝物を、これからも大切にしていきたいですね。
健康的で美味しい麹のパワーを、ぜひあなたの生活に取り入れてみてください。きっと、麹の魅力にはまってしまうはずです。